C解説

CAN-SLIMを学ぶ / C

決算が良かった。それだけで買っていい?

Cは「Current Quarterly Earnings」。直近四半期の利益成長を見る項目です。でも、決算短信の「増益」という文字だけを見ればいいわけではありません。

決算発表の日。「増収増益!」という見出しを見ると、ちょっとワクワクします。

でもCAN-SLIMなら、ここでもう一歩踏み込みます。

「利益はどれくらい伸びた?」
「その伸びは前より加速している?」
「売上もちゃんと伸びている?」

Cで見たいのは、まさにこのあたりです。

Cの基本

CAN-SLIMのCは、直近四半期の「勢い」を見る

CAN-SLIMで最初に置かれているCは、Current Quarterly Earnings。直近四半期の利益が、前年の同じ四半期と比べて力強く伸びている企業を探すための視点です。

成長株では、株価が大きく動き始める前に業績の変化が表れることがあります。だからCAN-SLIMでは、何年も前の実績だけではなく、いま企業の成長が加速しているかを直近の決算から確認します。

Cで探したいのは「増益企業」ではなく、利益成長に勢いがある企業。
前年同期比でどれだけ伸びたか、その勢いが続いているか、売上を伴っているかまで見ていきます。

代表的な目安として、CAN-SLIMでは四半期EPSが前年同期比で大きく伸びていることを重視します。ただし、ひとつの基準を超えたかどうかだけで判断するのではなく、成長率の加速や売上、利益の中身も合わせて見ることが大切です。

なぜ前年同期と比べる?

直前の3か月より、去年の同じ時期と比べる

四半期決算を見るとき、「前の四半期より増えたか」を見たくなります。でも企業によっては、夏に売れる、年末に売れる、年度末に売上が集中する、といった季節性があります。

そこでCでは、基本的に前年の同じ四半期と比べます。同じ季節同士を比べることで、事業そのものがどれくらい成長したかを見やすくするためです。

EPS

まず見るのは「1株あたり、どれだけ稼いだか」

EPSは1株当たり利益。会社全体の利益額だけではなく、私たち株主の1株に対してどれだけ利益を生み出したかを見る数字です。

CAN-SLIMでは、このEPSの伸びをCの中心に置きます。会社の利益が増えていても、株式数が大きく増えていれば1株あたりの利益成長は弱くなることがあるからです。

AS WINDメモ 昔のスクリーニングでは「前年同期比25%以上」をひとつの目安にしていました。

さらに2四半期続けて大きく伸びているか、伸び率そのものが加速しているかまで見ていました。

利益の中身を見る

EPSが伸びた! でも、その利益はどこから来た?

ここがCのおもしろいところです。数字が良くても、その中身まで見ないと安心できません。

不動産の売却など一時的な利益で純利益が膨らんでいるなら、本業が急成長したとは言いにくい。だから旧ブログでも、EPSだけでなく営業利益の伸びを一緒に見ることを重視していました。

新株発行などで株式数が増えれば、利益が増えても1株あたりの取り分は薄くなることがあります。表面の数字だけでは見落としやすいところです。

売上も見る

利益と一緒に、売上も伸びているか

利益が増えているのに売上が伸びていない。そんな決算もあります。

コスト削減で利益が増えたのかもしれません。それ自体は悪いことではありませんが、成長株として見たいのは、商品やサービスが売れて、売上が増え、その結果として利益も伸びる姿です。

売上と利益が一緒に伸びている。
この組み合わせが見えると、成長の説得力はぐっと増します。

成長の加速を見る

「伸びている」より「伸びが加速している」

たとえばEPS成長率が、40% → 30%なら、利益はまだ増えています。でも勢いは落ちています。

逆に30% → 60% → 100%と伸びていれば、企業の中で何か大きな変化が起きている可能性があります。

旧ブログでも、単に25%を超えたかだけではなく、成長率の加速をかなり重視していました。これは今の評価にも残している考え方です。

成長の変化を見る

強い成長にも、いつか変化はやってくる

ずっと高成長を続ける会社はありません。大事なのは、EPSがプラスかマイナスかだけでなく、成長の勢いがどう変わったかを見ることです。

旧記事では、成長率が大きく鈍化する状態が続いたら、業績の変化を疑うという見方を紹介していました。

「まだ増益だから大丈夫」ではなく、増益の勢いが落ちていないかを見る。これもCを追い続ける理由です。

今の分析方法

CAN-SLIMのCを、6つの視点に整理する

昔はExcelに決算数字を貼り付けて、ひとつずつOK・NGを確認していました。今は考え方を整理し、次の6項目でCを評価しています。

1最新四半期EPS成長率
2前四半期EPS成長率
3EPS成長加速
4最新四半期売上高成長率
5営業利益率改善
6決算サプライズ

細かな採点基準を覚える必要はありません。まずは「直近の利益は強いか。その強さには中身があるか。そして勢いは増しているか」と考えると、Cの見方がぐっと分かりやすくなります。

NEXT

一度の好決算だけでは、まだ足りない

Cで直近の勢いが見えたら、次に知りたくなるのは「この会社、前からちゃんと成長しているの?」ということ。

そこで登場するのがA ― Annual Earnings Growthです。次は、年間利益の成長を見ていきます。

※本ページは、旧記事「『CAN-SLIM』のC(Current Quarterly Earnings) -直近四半期利益-」で扱っていた考え方を、現在の分析方法に合わせて再構成したものです。

投稿日:2026年8月17日 更新日:

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