CAN-SLIMを学ぶ / N
成長している会社が、さらに伸びるきっかけは何だろう?
Nは「New」。新製品、新サービス、新しい市場、新しい経営、新しい戦略――そしてCAN-SLIM本来の考え方では「新高値」も含まれます。大きな株価上昇の前には、会社や株価に何らかの新しい変化が起きていることが多い、という視点です。
業績はいい。毎年利益も伸びている。
それでも、株価が大きく動くには「きっかけ」が必要なことがあります。
「新しい市場へ進出した」
「経営方針が大きく変わった」
「業績予想が一段上へ修正された」
Nでは、こうした企業の成長を次の段階へ押し上げる新しい変化を探します。
Nの基本
CAN-SLIMのNは「何か新しいもの」を探す
CAN-SLIMでいうNは、旧記事でもNew Products, New Management, New Highs――新製品、新経営陣、新高値――として紹介してきた要素です。
ポイントは、「新しい」という言葉そのものではありません。その変化によって企業の売上や利益への期待が高まり、投資家の評価まで変わる可能性があるかどうかです。
ニュースが出たかではなく、その変化が企業の未来をどれだけ変えそうかを考えます。
新製品・新サービス
「これは売れそう」から「本当に業績へ効いた」へ
画期的な新製品は、Nの分かりやすい例です。でも発表された瞬間だけを見て「Nだ」と決めるのは早いかもしれません。
大切なのは、その商品やサービスが実際に売れ始め、売上や利益を押し上げているかです。
旧ブログでも、良い商品と強い業績が結びついている企業に注目してきました。新しさが数字に変わり始めたとき、Nはより説得力を持ちます。
新市場・新戦略
会社そのものが変わり始めることもある
新しいものは製品だけではありません。これまでとは違う市場への進出、事業構成の変更、収益モデルの転換、新しい中期戦略なども企業の成長を変える可能性があります。
今まで伸び悩んでいた会社が、新しい事業へ軸足を移したことで成長企業へ変わることもあります。
旧ブログでも、低いPERやPBRだけではなく、事業転換や新製品、経営の変化のようなドラスチックな要素が株価上昇のきっかけになるという考え方を書いていました。
新しい経営
経営者が変われば、会社の方向も変わることがある
新しい経営陣の登場も、CAN-SLIM本来のNに含まれる考え方です。
経営トップが変わり、不採算事業の整理、新しい成長分野への投資、資本政策の変更などが始まれば、会社の利益構造そのものが変わる可能性があります。
ただし「社長が交代した」という事実だけでは十分ではありません。新しい経営が実際に企業をどう変えようとしているのかまで見たいところです。
新高値という考え方
「高いから怖い」ではなく、「高いのには理由がある?」
CAN-SLIMのNで最初は戸惑いやすいのがNew Highs=新高値です。
株は安くなったところで買いたい。そう考えるのは自然です。私自身、CAN-SLIMを始めた頃は新高値で買うことにかなり抵抗がありました。
でも旧ブログで実際に書いたように、新高値には「過去に高値で買って含み損になっている投資家が少ない」という特徴があります。上値で待ち構える売りが少なく、強い需要が入れば価格がさらに上へ進みやすくなる可能性があります。
「安い株を探す」から「強い理由があって高値を更新している株を見る」へ。これはCAN-SLIMを始めて大きく変わった考え方のひとつです。
ただし新しければ何でもいい?
ニュースより、その後の利益を見る
「新製品を発表」「新事業へ参入」というニュースはたくさんあります。でも、そのすべてが大きな成長につながるわけではありません。
そこで見たいのが、CやAとのつながりです。
ここまでつながってくると、「新しい話題」ではなく「新しい成長エンジン」として見えてきます。
Nは単独で見るより、C・Aで確認した業績成長の理由を探すように見ると分かりやすくなります。
今の分析方法
Nを、6つの視点に整理する
CAN-SLIM本来のNには新高値も含まれます。一方、現在の私の採点では、企業の「新しさ」と株価の強さを分けて見るため、新高値・52週高値圏はLで評価しています。
Nでは、企業側で起きている変化と、その利益インパクトを次の6項目で確認します。
まずは「この会社には何が新しい? そして、その新しさは本当に利益を変え始めている?」と考えると、Nがぐっと見やすくなります。
NEXT
良い会社なのに、なぜ株価が上がらない?
C・A・Nで、企業の成長とそのきっかけを見てきました。
でも株価は、企業の良さだけでは決まりません。市場に出ている株式の量と、それを買いたい人の力関係も大きく影響します。
そこで次はS ― Supply and Demand。株式の需要と供給を見ていきます。
※本ページは、旧記事で紹介してきたN「新製品・新経営陣・新高値」の考え方と、旧記事で実際に記録した新高値投資の経験を、現在の分析方法に合わせて再構成したものです。