AS Wind 注目銘柄|4461 第一工業製薬
直近業績の強さ、業績予想の上方修正、そして週足チャートのブレイクアウトなど、注目銘柄から特に気になる銘柄を紹介していきます。
皆さん、こんにちは。あずさんことAS Windです。
ブログを再開してから1ヶ月が経ちました。あっという間でしたが、その間にサイトは日々進化してます。銘柄分析するためのCAN-SLIの各要素を採点するエンジン、それからチャートからピボットポイントとブレイクアウトを判定するエンジンがとりあえず完成し、日本市場に上場している全銘柄からファンダメンタルズとテクニカルから総合的にCAN-SLIMに適した銘柄を選定できる環境が整いました。
で、開始当初の注目銘柄はデータの内容を詳細に見ていただく仕様にしていたのですが、あまりにもあっさりしてて味気ないなぁと思い。(^^;
やはり以前と同じくブログ記事っぽい方が細かい事も伝わるかなと思って方向転換する事にしました。なぜ、この銘柄なのか?ということが上手く伝わればと思います。
まずはブログスタート時に分析した、4461 第一工業製薬について再度分析してみたいと思います。
第一工業製薬は、以前からCAN-SLIでかなり高い評価が出ていた銘柄なのですが、2026年10月2日時点の最新データでも、改めて面白い位置に入っています。
CAN-SLI Quality Scoreは82.02点。対象3,533銘柄中2位です。
めちゃくちゃ優秀です。
ただし、今回この銘柄を取り上げた理由は、単純に「ランキング2位だから」というだけではありません。
第一工業製薬を詳しく見ていくと、
業績の急拡大
低誘電樹脂材料
電池材料
という、現在の利益成長を支えている具体的な材料が見えてきます。
一方、株価チャートについては、システムで自動的に割り出しているブレイクアウト前・ブレイクアウト・買いゾーンの統合ランキングには入っていません。
「企業のQualityはかなり高い。でも、今すぐ買うタイミングなのかは別」
という見方ができる銘柄だと思っています。
CAN-SLI Qualityは82.02点、全銘柄中2位
まず独自に算出したCAN-SLI Qualityから見てみます。
2026年10月2日時点の評価は、CAN-SLI Quality:82.02点、順位:2位/3,533銘柄、データ充足率:97.96%となっています。
さらに大きく分けると、CAN:74.47点、SLI:89.58点です。
この数字を見ると、特徴がかなりはっきりしています。ファンダメンタル要素の強いCANも十分高いのですが、それ以上にSLI、つまり需給・株価の強さ・機関投資家評価の部分が非常に強い。
| 項目 | スコア |
|---|---|
| C | 88.89 |
| A | 73.33 |
| N | 57.14 |
| S | 87.50 |
| L | 92.40 |
| I | 87.00 |
特に目を引くのが、Lの92.40です。
Lは「Leader or Laggard」、つまり市場の中で株価がどれだけ強いかを見る項目です。
第一工業製薬は、企業業績だけではなく、株式市場からもかなり強く評価されてきた銘柄だと見ることができます。
C|直近業績はかなり強い
まずC、Current Quarterly Earningsです。評価は88.89点。
ここは第一工業製薬を見るうえで、かなり重要なポイントだと思っています。
会社の最新決算を見ると、2027年3月期第1四半期は、売上高 275.01億円、営業利益 51.17億円となっています。
前年同期の売上高190.46億円、営業利益17.23億円から大きく伸びています。
単純な増収だけではありません。
営業利益の伸びが売上高の伸びを大きく上回っている。
ここが重要です。私の大好きなポイントでもあります。
営業利益率を計算すると、前年同期の約9.0%から、約18.6%まで上昇しています。
「売上が増えている会社」から「高付加価値製品の拡大によって利益率まで大きく改善している会社」へ変化している可能性がある
ということです。
CAN-SLIMでCを見るとき、単純な増益率だけではなく、その利益成長の中身を見ることが重要だと考えています。
第一工業製薬については、その中身にも注目できそうです。
何が利益を押し上げているのか
では、なぜこれほど利益が伸びているのでしょうか。
会社資料を見ると、かなり分かりやすいです。
特に大きいのが、電子・情報と環境・エネルギーの2つのセグメントです。
電子・情報では、ハイエンドサーバー向け低誘電樹脂材料が国内・海外ともに大幅に伸びています。
2027年3月期第1四半期の電子・情報セグメントは、売上高 108.40億円、前年同期比56.3%増、営業利益 26.68億円、同84.3%増となりました。
高付加価値製品の販売拡大が、利益成長につながっています。
そして、もう一つ非常に気になるのが環境・エネルギーです。
ここでは、リチウムイオン電池向けの負極用水系複合接着剤が大きく伸びています。
環境・エネルギーの第1四半期は、売上高 84.16億円、前年同期比81.9%増、営業利益 17.34億円となっています。
前年同期は営業赤字だったため、ここはかなり大きな変化です。
つまり第一工業製薬の利益成長は、一つの製品だけに依存しているわけではなく、AI・高速通信を背景としたハイエンドサーバー向け材料と、電池材料という二つの成長分野が同時に伸びている構造になっています。
A|年間業績も改善してきた
次にA、Annual Earnings Growthです。評価は73.33点。
Cほど突出してはいませんが、十分高い評価です。
第一工業製薬は、少し前まで現在のような高収益企業ではありませんでした。
営業利益を見ると、2023年3月期 11.86億円、2024年3月期 20.77億円、2025年3月期 53.51億円、2026年3月期 101.07億円と、大きく改善しています。
特にここ数年の変化はかなり大きい。
そのため、この会社を見る場合は単純な「安定成長企業」というより、収益構造そのものが変化している途中の企業として見た方が分かりやすいのではないかと思います。
一方で、Aの評価は73.33点です。直近のCほど高くありません。
これは、今の急成長が今後も数年間続くのかについては、まだ確認していく必要があることを意味しています。
現在の利益水準だけを見て「長期成長が確定した」と考えるのではなく、今後の決算でこの成長が継続するかを確認していきたいところです。
N|点数以上に中身が気になる
N、Newの評価は57.14点です。CAN-SLIの6項目の中では最も低い数字です。
ただ、ここは少し注意して見る必要があります。Nの点数だけを見ると、それほど強くないように見えます。
しかし会社の実際の事業を見ると、低誘電樹脂材料、電池用材料という、新しい成長ドライバーが実際の利益に寄与し始めています。
CAN-SLIMでいう「New」は、新製品を発表したというだけではなく、その新しい変化が本当に業績を動かし始めているかが重要だと考えています。
その意味では、第一工業製薬のNは、点数だけでは捉えにくい部分があります。
低誘電樹脂材料はハイエンドサーバー向け需要が拡大し、電池材料も利益に大きく寄与しています。
これは今後も継続して確認したいポイントです。
業績予想も上方修正
さらに注目したいのが業績予想です。
第一工業製薬は業績予想の上方修正をしており、営業利益予想についても上方修正が確認されています。
会社側も、低誘電樹脂材料や電池材料の伸長を背景として、業績予想を引き上げてきました。
ここはCの高評価を裏付ける重要な材料だと思います。
S・L・Iはかなり強い
続いて株式市場側の評価です。
S:87.50 L:92.40 I:87.00
3項目とも高水準です。
特にLの92.40は、第一工業製薬の株価が市場の中でもかなり強い位置にあることを示しています。
CAN-SLIでは、業績が良い会社を探すだけではなく、実際に市場から評価され始めている会社を探すことが重要です。
第一工業製薬は、業績が改善している。成長製品が出ている。利益率が改善している。そして株価も市場に対して強い。
この組み合わせが現在のCAN-SLI Quality 82.02点につながっています。
ただし、チャートは「今すぐ」ではない
CAN-SLI Qualityでは全銘柄2位でほぼ最強ですが、2026年10月2日時点で第一工業製薬は、ブレイクアウト前統合ランキング、ブレイクアウト統合ランキング、買いゾーン統合ランキングのいずれにも入っていません。
これは現在私が開発したテクニカルシステムのチャート条件では、候補に入ってこないという意味です。
チャートを見ると8月に高値をつけて、そこからカップを形成してるように見えるんですけどね。。今は浅いカップを形成する事を条件にしているため、やや鋭角なベース形成と判断していると思います。この辺はシステムの設定の問題なので、このあとハンドル形成するタイミングでピボットとブレイクアウトをキャッチするかもしれません。
したがって現在はCAN-SLI Quality 2位だから買う。ではなく、
Qualityでは非常に有力な候補として残しながら、チャート側で次のエントリー条件が整うのを待つ。
これが現在の第一工業製薬に対する私のスタンスです。
業種の動きも確認しておきたい
第一工業製薬は化学セクターに属します。
個別株自身のL評価は92.40と非常に強い一方、業種全体については個別株ほど突出しているわけではありません。
強い業種の中の強い銘柄というより、個別企業の業績変化によって市場から評価されている側面が強い可能性があると考えています。
ただし、実はセクターのレラティブストレングスが高い銘柄はその後上昇しやすいというのは、バックテストの結果から判明してるので唯一気になるところです。
そういう意味では今後、化学セクター全体のレラティブストレングスが上昇してくるようであれば、第一工業製薬にとってさらに追い風になる可能性があります。
第一工業製薬の強み
ここまで見てきて私が特に注目しているのは3点です。
一つ目は、利益成長の大きさ。単なる増収ではなく、営業利益率が大きく改善しています。
二つ目は、成長の理由が比較的はっきりしていること。ハイエンドサーバー向け低誘電樹脂材料と、リチウムイオン電池向け材料。現在成長している市場と製品が具体的に見えています。
そして三つ目が、株式市場からも評価されていること。Lが92.40という高評価になっている点です。
ファンダメンタルだけが良い銘柄ではなく、株価にもその変化が表れている。ここはCAN-SLIMで銘柄を見るうえで重要なポイントだと思っています。
注意したいポイント
もちろん、良いところだけではありません。
まず確認したいのは、現在の急成長がどこまで続くのか。
特に低誘電樹脂材料と電池材料への依存度が高くなってくれば、それぞれの需要動向や生産能力が業績に与える影響も大きくなります。
また、CAN-SLIのAは73.33、Nは57.14です。直近のCや市場評価のLほど高くありません。
つまり現在の第一工業製薬は、長期にわたって成長が証明された完成型の成長企業というより、業績構造が大きく変化している途中の企業として見る方が自然だと思います。
そしてもう一つ。Qualityが高いことと、今が買い場であることは同じではありません。
現在はチャートについては推奨候補に入っていません。株価が新しいベースを形成しているのか。Pivotが形成されるのか。そこから出来高を伴ってブレイクアウトするのか。このあたりは別途チャートで継続してウォッチする必要があります。
今後チェックしたいこと
私がこれから見ていきたいのは、低誘電樹脂材料の成長継続、電池材料の販売拡大、高い営業利益率を維持できるか、会社業績予想のさらなる変化、そして、次のチャートセットアップが形成されるかです。
業績がさらに伸びながら株価が一度整理され、きれいなベースを作る。そこから新しいPivotが形成される。
もしそんな形になれば、かなり面白い銘柄になってくると思っています。
注目理由のまとめ
第一工業製薬は、2026年10月2日時点でCAN-SLI Quality 82.02点、全3,533銘柄中2位。
これだけでも十分注目できる数字です。
ただ、私が注目銘柄しているのはランキングそのものではありません。
業績が実際に大きく変化していて、その背景となる製品があり、さらに株式市場もその変化を評価しているということです。
それをベースにした営業利益率の大幅な改善。そしてL 92.40という株価の強さ。
かなりCAN-SLIMらしい材料がそろってきました。
一方で、現在はブレイクアウト前・ブレイクアウト・買いゾーンの統合候補には入っていません。
なので、
「Qualityの高い銘柄として登録して、次のチャート形成を待つ」
というのがAS Wind流の投資手法です。
この銘柄が今後どんなチャートを作るのか。
今後も継続してウォッチしていきたいと思います。
※本記事は、公開情報およびAS Wind独自のCAN-SLI評価モデルをもとに作成した投資研究・記録を目的とするものであり、特定銘柄の売買を推奨するものではありません。投資判断はご自身の責任でお願いいたします。