コラム 投資分析

好決算で下落?悪決算で上昇?決算後の株の動きを読む その3 市場のトレンドの影響について

投稿日:2019年5月27日 更新日:

はじめに

決算後の株価の動きについて考察するシリーズです。

前回、前々回では、個別銘柄の利益確定の動きや調整、仕込みの動きと決算後の株価の動きの連動性について分析しました。

好決算で下落?悪決算で上昇?決算後の株の動きを読む その1 UUUM【3990】

好決算で下落?悪決算で上昇?決算後の株の動きを読む その2 チームスピリット【4397】

しかし、個別銘柄の動きもさる事ながら市場が上昇トレンドか下降トレンドかによって結果に影響を与えるのではないか?という疑問が湧いたため、今回は、市場のトレンドがどの様に決算後の株価に影響を与えているかについて1回目で取り上げたUUUMの事例で確認したいと思います。

UUUMの決算と株価の動きについて

まずはおさらいとしてUUUMの動きを確認しておきましょう。

チャートと決算の関係は以下の通りです。

UUUM【3990】チャートと決算推移

図の中で、赤い▲マークがあるところが決算発表のタイミングとその内容になります。青い▲マークは株式分割があった日を示しています。

前回分析した通り、事前に利益確定売りの動き、具体的には出来高を伴った陰線が複数回おきている様な現象が発生した場合は下落。事前に仕込みの動き、具体的には株価がもみ合って、下ヒゲの長い調整、振い落としの現象が発生した場合は上昇。という事が確認できるかと思います。

今回はそれぞれの決算期間の前後の株価の動きと市場(マザーズ)の指数の動きをレラティブストレングスの考え方を使って分析してみます。

2018年4月13日決算前後の動き

 2018年2月23日から2018年5月15日までの市場と株価の動きです。

最初の日の数字をゼロとして、そこからの変化率を出して比較しています。これを私はレラティブストレングスと呼んでおり、相対的な動きの方向性や強さを見るために利用しています。一般的なレラティブストレングスとは考え方が若干異なりますので、ご承知おき下さい。動きを見やすい様に時期によって変化の倍率を調整してグラフにしています。

この時期のUUUMはIPO後の売買をこなして調整期に入っていました。前半はほぼ市場と同調した動きとなっています。しかし、決算の2週間程前から市場は下降トレンドに移行してます。

UUUMはこの間、決算期待もあって上昇していますが、利確売りなども伴っており、横這いもしくは下落の流れでした。好決算期待からの買いと利益確定の動きが拮抗していたものと思われます。

その後、下降トレンドの最中に決算を迎えます。この時の決算は進捗も順調で、最も大きな見込の上方修正を行なっているにもかかわらず株価は下落しています。決算直後の急落は市場の急落とも時期を合わせています。その後、市場はトレンド転換しましたが、一週間ほど株価は利益確定の流れが続きました。

2018年7月13日決算前後の動き

 2018年5月16日から8月10日までの市場と株価の動きです。

この時期の株価は前回の決算前後で利益確定をした後で調整局面に入っていました。株価も出来高も低い状態が続いています。市場の動きと比較してもほとんど同調していません。エネルギーが非常に低い状態です。市場が下降トレンドでも横這いを継続しています。ほとんど売りが発生しない状態です。

ここから良好な本決算と次年度決算見込みを迎え株価は急騰します。上昇の途中、市場が横這いから下降トレンドに移行したところで上昇は鈍くなっています。とはいえ、市場の流れに逆らって上昇する非常にエネルギーの高い状況となっていました。

2018年10月12日決算前後の動き

 2018年8月13日から11月8日までの市場と株価の動きです。

前回決算直後から市場のトレンドよりも強い動きを見せていた株価は、その後市場も上昇トレンドに移るに従って、トレンドに沿った動きとなっています。上昇の途中で調整が入ってますが、市場とシンクロしてますね。株式分割のタイミングは市場が横這いから上昇に転換する場面でもあり株価は急騰を演じています。

その後、市場が下降トレンドに移ると同時に株価も天井をつけました。決算期待もあり決算前は株価は上げてます。決算は順調ではありましたがサプライズのない内容。株価は市場のトレンドに引きずられる形となっています。

2019年1月11日決算前後の動き

 2018年11月9日の決算から2019年2月8日までの市場と株価の動きです。

その後も市場のトレンドに沿った動きを見せていた株価ですが、市場が下降トレンドに移行しても追随することはなく、出来高の低い調整期間と振い落しの期間に入っています。市場はその後、上昇トレンドに転換しますが、そのまま調整を続けている状況です。その後決算を迎えますが、まずまずの決算内容と見込の上方修正により、大きな出来高を伴って株価は急上昇しました。市場も上昇トレンドだったので上昇に加速がついた格好です。しかし、市場のトレンド転換とともに利益確定の動きがでてきています。

2019年4月12日決算前後の動き

 2019年2月12日から5月17日までの市場と株価の動きです。

前回の決算の後、株価は低調な動きとなります。市場が上昇基調の中でやや下落していきます。その状況の中で決算を迎えますが、市場のトレンドに反して急降下。事前の弱い動きが決算で加速された形です。その後、売りのエネルギーがある程度放出されると、市場が下落する中、再び調整の動きを始めています。

分析から考えられること

今回の分析から考えられることとして、

市場が下落トレンドの時に同調しないで、横這いを続ける銘柄は売りの圧力が少なく、決算後上昇する可能性が高いことがわかりました。逆にトレンドが上昇もしくは横這い時に株価が下落する時は、買いの圧力が少なく、決算後下がる可能性が高いことがわかりました。従って、

■トレンドに逆らう動きをするときは、決算後にトレンドと逆の方向に出来高が働く

ということが言えそうです。決算期にトレンドが転換すると、その方向に動きが加速されのはこのためかと思います。

次に、株価上昇時にはエネルギー(出来高)が高い場合は市場が下降トレンドでも上昇しますが、上昇のスピードが鈍ることがわかりました。

また、上昇のエネルギーが下がると、市場のトレンドに合わせてトレンド転換することがわかりました。従って、

■トレンドは同じ方向の動きを加速させ、逆の方向の動きを鈍らせる

ということが言えそうです。

最後に、決算やニュースなどがあった時の出来高が高い期間及び調整や振い落しなどで出来高が極端に低い期間を除いた期間は市場のトレンドにほぼ沿った形で株価が推移することが多いようです。従って、

■株価のエネルギー(出来高)が極端な動きを見せないときは市場のトレンドの流れに沿った株価の動きをする

ということが言えそうです。

最後に

いかがでしたでしょうか?

銘柄を分析する際、個別銘柄だけのチャートを見て動きを分析しようとすると、どうしても理解できない動きがあったりします。そういう時は市場のトレンドが影響を与えているかもしれない。という仮説は、この分析を見ると一考に値することではないでしょうか?

前回までの個別銘柄の株価と出来高による分析、および今回の市場のトレンドを加味した分析を併用することで、決算後の株価の動きについてより正確に洞察できるようになればと思います。

今後も決算後の動きについて、いろいろと仮説を立てて検証していきたいと思います。

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