CAN-SLIM投資法を利用して実際に投資を行なっている事例を紹介します。
今回はポート【7047】です。
CAN-SLIM投資法に関連する注目ワードは強調して表示していますので参考にしてください。
目次
ファンダメンタル分析
キャリア系、ファイナンス系、メディカル系のネットメディアを運営するポート。元はソーシャルリクルーティングという社名で採用支援サービスから創業して業態を拡大させています。
いわゆるキュレーションサイトに類するサービスを展開していますが、キュレーションサイトというと、DeNAが記事盗用や根拠のあいまいな記事を掲載して社会問題にもなったと思います。ポートも過去には同様の訴訟沙汰を起こしていたようです。また、大企業の同様のサービスにおいても少なからず盗用などの問題は起こっているようです。このビジネスにおいては、記事の信頼性、およびコンテンツの充実がなにより重要なファクターになると思っています。
私がポートに目をつけたのは、まさに信頼性およびコンテンツの充実に対する取り組み方です。現在、メディカル系のサービスを充実させてきていますが、大学と連携してしっかりと効果を測定したうえでサービスの検討をするなど、信頼性向上に向けた取り組みをしっかりと行っています。
東京女子医科大学とのIoT×都市型遠隔診療に関する共同研究の完了のお知らせ
及び結果速報
過去に起こした盗用などの問題に真摯に取り組んでいる姿勢を感じます。ファイナンス系においてもSBIとのコンテンツ連携を発表したりするなど、しっかりとしたエビデンスを確保しながら展開イメージを持ちビジネスを拡大させていっていると感じます。
この手のビジネスはストック型です。一度会員を確保すると定期的な収入となり、コンテンツが充実していけば、ますます顧客が増える好循環に入ります。ポートは今まさに損益分岐点を越えて黒字化したところであり、ここから成長を加速していくと考えています。
業績について以下にまとめました。わかりやすくするため決算予想数値として発表されている最終年度の数字を100%として、年度ごとの割合を表示しています。
売上・利益とも右肩上がりです。売り上げはほぼ年率20%の成長を維持。一株利益については、19年度で飛躍的に伸ばしており、一時的な税負担増で20年度は減少しますが、21年度以降も確実に成長すると見込んでいます。
先程も書きましたが、損益分岐点を越え投資フェーズから収益フェーズに入ってきました。ネットメディアはここから加速的に収益を上げることが特徴かと思います。資金が潤えば次のM&Aなどの戦略も実行しやすくなります。成長は加速すると考えます。
ファンダメンタル要素についてはROEが26%、ROAが15.80%と十分です。ここの特徴は浮動株が極端に少ないことです。まだ上場したてということもありますが、ちょっとした需給で大きく動く可能性があります。時価総額も138億円ですので、まだまだ成長途上と考えられます。
チャート分析【2018/6/11-2019/6/14】
チャートですが、流れにそって解説します。
- 2019年1月末に上場来高値をピークに株価は調整局面に入りました。
- 6週間の調整期間を経て取っ手形成に入りました。
- 現在も取っ手形成のピボットポイントをブレイクせずに調整している状態です。
- 出来高は極度に下がっており、売りも買いもなりを潜めている状態です。ちょうどカップ形成の底値で反発するような形になっており、ここから下の売りはないと考えています。
レラティブストレングスの検討
株価が市場に対してどれだけ強い動きを見せているかをレラティブストレングスと定義しています。ここでは1年前(上場して1年未満の場合は上場時)の株価を0としてそこからの変化率を算出してグラフにしています。同様に算出した上場されている市場の指標と比較する事で選択した銘柄が市場のパフォーマンスより強い動きを見せているかどうかを確認します。
点線で3分割しておりますが、前半は市場と同調した動き。中間は調整の期間なんですが、出来高が低い中で乱高下した形となっています。後半は取っ手の形成期に当たりますが、底値近辺まで落ちてやっと横這いに落ち着いたという感じです。上場して間もないということもあり、市場とはまったくシンクロしない形で動いています。非常に難しい銘柄であることは確かですが、売りがある程度落ち着いてきているので、チャレンジしてみようと思います。
信用買残と株価の関係について
ポートは売り残がないため、信用買残の残高のみを抽出してみました。現在の買い残はピーク時の30%程度まで下がっています。ちょうど取っ手を形成する時に大きく減らしています。その後は調整局面で大きく動いていない状態です。売りの圧力はほぼない状況と思います。今後、決算や材料をきっかけに上昇する流れだと考えています。
今回は以上の考え方でポートへの投資を実施したいと思います。ブレイクする前に調整の底値で買いに入るというスタイルは今回が初めてです。今後想定通り上がってブレイクすれば、より効率的に利益を上げることができると考えています。
また、予想に反して下落した場合は、すでに底値と想定しているので3%で損切りする予定です。
CAN-SLIM投資とは?
CAN-SLIM投資の各要素の考え方については以下の記事を参考にして頂ければと思います。
1.「CAN-SLIM」のC(Current Quarterly Earnings) -直近四半期利益-
2.「CAN-SLIM」のA(Annual Earnings Increases) -年間利益の増加-
3.「CAN-SLIM」のN(New Products,New Management,New Highs) -新製品、新経営者、新高値-
4.「CAN-SLIM」のS(Supply and Demand) -株式の需要と供給-
5.「CAN-SLIM」のL(Leader or Laggard) -主導株か停滞株か-